酒蔵とは?酒造との違いやおすすめ見学ツアー
日本酒業界で使われる「酒蔵(さかぐら)」や「酒造(しゅぞう)」「杜氏(とうじ)」など、さまざまな名称の違いや由来などを知っておくと、日本酒をさらに味わい深く楽しめそう! 今回は、日本酒にまつわる名称の違いや、おすすめの酒蔵見学ツアーなどについてご紹介。 ぜひ本記事を参考に、お好みのお酒やツアーを見つけてくださいね。
酒蔵とは
そもそも、酒蔵(さかぐら)とは何か。 酒造(しゅぞう)・蔵元(くらもと)・杜氏(とうじ)との違いについてご紹介。
酒蔵数が多い上位3位のエリアについてもご紹介しますので、各地域のお酒の特徴など、日本酒選びの参考にしてみてくださいね。
酒蔵の意味
酒蔵は「さかぐら」が正しい読み方です。
酒蔵とは、酒と蔵の漢字の意味の通り、酒を醸造(じょうぞう)・貯蔵する蔵のことを指します。 お酒を蓄える蔵を意味するため「さかぐら」と読むのが正解です。
貯蔵するお酒の種類には、日本酒やウイスキー、ワインなどさまざまあります。 しかし、ウイスキーは蒸留所、ワインの場合はワイナリーと呼ぶため、一般的に酒蔵は日本酒を意味する場合がほとんどです。
全国の酒蔵数と銘柄数
日本酒の酒蔵は全国で1,300以上ありますが、残念ながら年々その数は減ってきています。
2018(平成30)年の都道府県別酒蔵数トップ3は、1位が新潟、2位は長野、3位が兵庫です。
1位 新潟
1位の新潟は、日本酒作りに欠かせない、米・水・気候の3つの条件が揃った地域。 地元の酒米(さかまい:日本酒の原料となる米)を使った日本酒作りが盛んです。
すっきりとした辛口の日本酒が多く、甘口であってもすっきりキレのある口当たりが特徴的です。
「朝日酒造」の久保田 (くぼた)や「八海醸造」の八海山(はっかいさん)などが有名。
これから日本酒を嗜む人は、まずは新潟産から試してみるのもよいでしょう。
2位 長野
2位の長野は、飛騨山脈や木曽山脈などの良質な水源があり、雄大な自然環境が生む気候が酒造りに適しています。
長野の日本酒はフルーティで濃醇な味わいが特徴です。
人気の日本酒といえば「岡崎酒造」の信州亀齢(しんしゅうきれい)や「大信州(だいしんしゅう)酒造」の大信州などがあります。
3位 兵庫
3位の兵庫は、酒米でもある山田錦(やまだにしき)の産地。
六甲の名水もある日本酒作りに適した地で、「菊正宗(きくまさむね)酒造」の菊正宗 や「白鶴(はくつる)酒造」の白鶴など、大手酒造メーカーも多くあります。
サラッとした口当たりの日本酒が多く、甘口から辛口まで幅広い日本酒が味わえます。
日本酒の銘柄は約1万以上あるといわれ、好みの1本を見つけるのには時間もかかるでしょう。 しかしそれぞれの特徴を知って、自分好みの1本を見つけるのも楽しみといえます。
日本酒は地域ごとで大まかな味の傾向は絞りやすいため、産地ごとに飲み比べをしてみるのもおすすめですよ。
「酒蔵」と「酒造」「蔵元」「杜氏」の違い
日本酒業界ではそれぞれの役割に名称があり「酒蔵」の他にも「酒造」や「蔵元」「杜氏」などがあります。
それぞれの名称の意味と役割などについて見ていきましょう。
酒造(しゅぞう)
酒造(しゅぞう)とは、お酒造りのことを指します。
酒造の起源は古く、約1300年前の書物「播磨国風土記(はりまのくにふどき)」に一節があり、日本酒についての最古の記述といわれています。 神様に捧げたお米にカビが生え、それを材料にしてお酒を醸造し神に献上したというエピソードで、そこからさまざまな技法により酒造が行われてきました。
「酒造」は酒を作る行為のことを指すため、酒造りをしているところを酒造と呼ぶことは多くありません。 よく耳にする「酒造(しゅぞう)メーカー」とは大手の会社を指すことが多く、それ以外は「酒蔵(さかぐら)」と呼ばれています。
蔵元(くらもと)
蔵元(くらもと)とは、日本酒の醸造(じょうぞう)・販売をする酒蔵の経営者を意味します。
醸造とは、微生物による発酵作用を利用する製品を指し、日本酒以外にも味噌や醤油などを製造する際に使われます。 発酵製品を扱っている蔵を持つ製造元は、一般的にすべて蔵元と呼ばれています。
蔵元と似た意味合いで使われる言葉で醸造元(じょうぞうもと)がありますが、経営者を指すことは少なく、主に日本酒をつくる製造場の意味で使われる言葉です。
杜氏(とうじ)
杜氏(とうじ)とは、酒造りの現場を仕切る醸造の責任者を指す言葉です。
基本的に杜氏はひとつの酒蔵に1人しか存在しません。 蔵元でありながらも、日本酒製造責任者を兼任する場合は、蔵元杜氏(くらもととうじ)と呼ばれます。
多くの杜氏が「酒造技能士」という国家資格を持っており、精米の判定から利き酒までを行える、日本酒造りのエキスパートです。
杜氏以外で日本酒造りに携わる職人は、蔵人(くらびと)といい、杜氏の下で日本酒造りの実務を担当します。
酒蔵のおすすめツアー
お酒好きな人にはたまらない、おすすめのツアーをご紹介。
お酒にまつわる見学や体験ツアーなど、日本酒だけではなく、ビールや焼酎、ワインなど幅広くご紹介します!
気になるツアーをみつけたら、ぜひ参加をしてみてくださいね。
酒蔵見学ツアー
お酒造りの仕込みなどの工程を見学し、酒蔵の歴史や酒造のこだわりのお話を聞きながら、試飲も楽しめます。
アクティビティジャパンでは岐阜、香川、北海道にある酒蔵やワイナリーなどの工場を見学するツアーが人気。
飛騨山脈の良質な水を使った岐阜の日本酒は、甘口から辛口までバラエティ豊富なお酒を楽しむことできます。
水良し、米良し、気候良しの条件で400年間続く伝統的な飛騨高山で最も古い酒蔵をご案内します。又、高山市内で200m以内に7蔵が密集しておりますが、300年前はこの近辺に56蔵もあったという記録が残っております。そんな特殊な歴史を持つ飛騨高山の町並みのご説明と蔵の内部の見学の両方をお楽しみ頂けます。
香川は醤油の産地でも有名で、利き酒だけではなくお餅と一緒に利き醤油の体験も!
【香川県・瀬戸内の蔵元(酒蔵・醤油蔵)】見学&試飲ランチクルーズ
高松港よりプライベートクルージングで小豆島へ。小豆島唯一の酒蔵”森國酒造”を見学島の伝統料理を中心にした和食ランチと酒蔵の日本酒数種を試飲試飲後、伝統の醤油蔵”ヤマクロ醤油”を見学歴史ある醤油蔵建物と伝統的な醤油作り製法を見学。利き醤油後にお気に入りの醤油で民芸七輪で焼いたお餅を楽しむ。森國酒造⇒酒
北海道は日本酒だけではなく、ワイナリーやビール醸造所、ウイスキーの蒸溜所が多くあることで有名な地域。
各地の美しい景色や風情ある街並みを眺めながら、種類豊富なお酒を満喫したい人におすすめのツアーです。
【北海道・小樽・余市】ーほろ酔いな1日ー 小樽・余市のワイナリー・酒蔵・蒸溜所を訪れます♪
- 4.8
- (2件の口コミ・体験談)
ワイン、日本酒にウイスキー。ノスタルジックな小樽・余市にはローカルの美味しいお酒も様々!酒蔵、醸造所をめぐってほろっと頬を染める一日です。小樽、余市は恵まれた気候を活かしたワイナリーが多数存在します。ワイナリーや老舗酒造とビール醸造所見学を組み合わせて、一日中お酒を楽しんでいただくコースです。運転は
蔵人体験
酒蔵の数が全国で2位の長野で、蔵人(くらびと)体験をしてみませんか。
酒蔵ホテルへの宿泊もセットになっており、酒蔵周辺の商店街で地元のグルメや日本酒に会う和食などを満喫できます。
体験できるのは、日本酒造りの基礎である洗米や麹作り。 定員も9名と少人数のため、一緒に作業をすることで仲間意識も深まるはず。
日本酒造りに興味がある人だけではなく、保護者と一緒であれば、小学高学年(10歳以上)から体験可能なプランも。 親子で思い出作りをしながら、日本の食文化や発酵の歴史を学ぶことができますよ。
【山口・岩国】世界一の杉玉がお迎え!日本酒好きにお薦め!ここだけの酒蔵体験『金冠黒松』
新岩国駅から徒歩三分!金冠黒松を醸す村重酒造では、世界一大きな杉玉がみなさんをお迎えします。インスタ映えすること間違いなし!まずはビデオにて酒造りの流れをご紹介しますので、初心者にも分かりやすい企画です。その後、蔵の中を蔵人が案内してくださいます。ここで、醪への櫂入れや、粕はぎなど、ここでしかできな
利き酒
唎酒師やインストラクターの解説のもと、日本酒の利き酒(飲み比べ)が楽しめるツアーです。
日本有数の酒どころでもある京都には酒蔵も多いため、利き酒を楽しめるスポットも多くあります。
【京都・下京区】6種の京都日本酒利き酒体験!酒の街、京都で日本酒利き酒体験を楽しもう!五条駅より徒歩1分!
- 2.8
- (2件の口コミ・体験談)
京都烏丸五条にある日本文化体験 庵an(あん)京都では、どなたでも楽しく日本文化を体験いただけます。日本文化への第一歩を庵an京都で踏み出してみませんか?楽しい+学べる体験プログラムを多数用意してお待ちしております。日本酒利き酒体験では、日本酒インストラクターの解説を交えお楽しみいただきます。まずは
熊本や佐賀などの九州は焼酎のイメージが強いですが、日本酒造りも盛んで、濃醇な旨みの日本酒を楽しめます。
ツアーによってはノンアルコールを選べることもあるので、そこまでお酒が得意でない人も安心。
所要時間も1時間~2時間ほどのため、観光の合間にも参加しやすいですよ。
【佐賀県鹿島市・肥前浜宿】重要伝統的建造物群保存地区のまちなみガイドと日本酒バーで飲み比べ
肥前浜宿のまちなみガイドの受付をおこなっている、NPO肥前浜宿水とまちなみの会です。『肥前浜宿のまちなみ』は、港町・宿場町として江戸時代から昭和まで栄えてきました。経済力と豊かな地下水、おいしいお米によって酒造りが盛んとなり、現在でも大型酒蔵が建ち並んでいます。今でもその景観が残っており、『酒蔵通り
ビール工場・ワイナリー見学
普段はなかなか見ることのできない、ビール醸造やワイン醸造の過程を知ることができる工場見学。
それぞれの醸造所でつくられているビールやワインのこだわりや特徴などを聞き、その後はお楽しみの試飲タイム! できたてのビールは香り豊かで喉越し抜群!ワインはソムリエが教える食事との相性:ペアリングなども学べます。
ビール工場・ワイナリー見学ツアーに参加することで作り手の想いを知り、さらに美味しくビール・ワインを味わうことできるでしょう。
徳島や秋田はクラフトビールの醸造が盛んな地域。 遊びに行く際にはビール工場の見学ツアーに参加してみては。
ゼロ・ウェイストをここから学ぶ、クラフトビール醸造場で驚きと発見を体感
日本の原風景が残る自然豊かな上勝町。日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」行い、日本のSDGs最先端を体験できる町として、世界から注目されています。RISE & WIN Brewing Co.でのランチ、クラフトビール醸造場STONEWALLHILLの見学。製造の様子や酵母培養ラボなど、普段見ることの
【徳島・神山町】遊び心溢れるKAMIYAMA BEERで、心ゆくまで豊かな自然に囲まれた山里を楽しもう
徳島市内から車で約40分の神山町。豊かな自然に囲まれた山里に、海外から移住してきたアーティストの Manus Sweeney とさやか夫妻が営むナノブルワリー『KAMIYAMA BEER』があります。 神山のテイストを融合した個性溢れる地ビールとペアリングや地域の食材を使った食事と一緒に味わいます。
秋田・仙北(せんぼく)市にある「あきた芸術村」には劇場や体験工房、天然温泉も完備しているため、ビール工場見学ツアー以外にもいろいろと家族で楽しめますよ!
【秋田・角館】有名地ビール!国際大会でも認められた田沢湖ビール工場見学と3種の地ビール試飲!
「田沢湖ビール」は秋田県で初め作られた「地ビール」です。本場ドイツの「麦・ホップ・酵母・水以外使わない」(ビール純粋令)を頑なに守り、ドイツで開催される国際大会でも何度も受賞しているクラフト・ビールの製造工程をご案内!試飲もしていただきます。
岩手県・遠野は日本産ホップの一大産地。
ホップ畑と二箇所のビール醸造所を巡って、「ホップがビールになるまで」をビアツーリズムガイドと一緒に楽しみながら学べるツアーです。
青々としたホップ畑で遠野産ビールと一緒に味わえる、地元食材をつかったランチボックス付き! 貸切タクシー利用なのでグループにも嬉しい、夏限定の特別プランです。
広島・世羅町では、セラワインのテロワールツアーと、ワインソムリエによる本格フレンチとのペアリングを体験できます。
テロワールとは、ブドウが育つための「場所」「気候」「土壌」など自然環境の特徴のこと。 ワイナリー見学で世羅の気候風土やつくり手の想いを学んだあとは、セラワインをペアリングしたフレンチフルコースに舌鼓!
世羅の旬を詰め込んだお土産付きでお得です。
酒蔵ツアーで好みの一杯を見つけよう
今回は酒蔵の意味や酒造りに関連する言葉の違いなどについてご紹介しました。
日本酒の原料でもある米と水は、地域や米の栽培方法で異なるため、酒蔵ごとの風味や味わいを楽しめるのも魅力です。
また日本酒だけでなく、地域ごとのおすすめのお酒を楽しめるツアーは、自分好みの味を見つけたい人にもおすすめ。
酒蔵や酒造・醸造のこだわりを深く知った後に飲むお酒はさらに味わい深く感じるはずです。
是非、とっておきのお酒を見つけに出かけてみてはいかがでしょう。
※プランや料金・紹介施設などの情報は2022年7月現在の情報です。