樹氷を鑑賞できる名所はどこ？日本三大樹氷やそのほか名所の全知識

冬になると、限られた地域にのみ現れる「樹氷」。
国内には「日本三大樹氷」と呼ばれる名所があり、迫力満点の白銀の世界は幻想的で、見る人を圧倒すると話題です。

今回は樹氷がなぜできるのかを仕組みとともに解説し、樹氷が見られる名所や各地の名所周辺のおすすめアクティビティを厳選して紹介します。

樹氷鑑賞に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください！

樹氷とは？

樹氷（じゅひょう）とは、樹木や枝に水蒸気や水滴が付着し、凍りついて作り出される氷の現象のこと。

ただ樹木や枝葉の上に雪や氷が付着するだけではなく、樹木を全て覆い尽くすような樹氷もあり、その迫力ある姿は「スノーモンスター」や「アイスモンスター」と称されるほどです。

樹氷が作られる条件

樹氷が作られるには、いくつかの気象条件を満たす必要があります。
そのため、雪が降るところならどこにでも現れるわけではなく、日本の一部の雪国と、海外ではドイツのシュヴァルツヴァルトでしか見ることができません。

樹氷を作り出すには、まず7つの条件が合致する必要があります。

過冷却水滴とは、水が氷点下に冷却されたとき、結晶が現れずに不安定な液体状態が保持されることを指します。たとえば、雲を構成する水滴粒子も過冷却水滴です。

気象条件を満たしたうえで、雪や氷が付きにくい落葉広葉樹ではなく、通年葉を一斉に落とす時期がない常緑針葉樹が自生している必要があります。

7つの条件を満たした環境で、次の3つのステップを踏んで樹氷が作られます。

こうした3つのステップが繰り返されることで、巨大な樹氷が形成されていくのです。

樹氷が見られる場所

迫力満点の樹氷群は、日本国内では6つのエリアで見ることができます。

中でも、「蔵王」「八甲田山」「森吉山」は「日本三大樹氷」と呼ばれ、常緑針葉樹の「アオモリトドマツ」が形作るダイナミックで神秘的な樹氷群を楽しめます。

蔵王／山形・宮城

日本三大樹氷のひとつ、蔵王（ざおう）。山形と宮城をまたぐ蔵王連峰のことを指し、山形の「蔵王樹氷まつり」や「樹氷ライトアップ」、宮城の「みやぎ蔵王の樹氷めぐり」など、冬になると両県で樹氷を楽しむ幻想的なイベントが開催されることで有名です。

樹氷の見頃は、例年12月下旬〜3月上旬。
山形の場合は蔵王ロープウェイ「地蔵山頂駅」周辺の鑑賞エリアや「地蔵山頂展望台」、宮城の場合は「マウンテンフィールド宮城蔵王すみかわスノーパーク」で暖房付きの雪上車に乗って樹氷鑑賞が楽しめます。

周辺で体験できるアクティビティ

蔵王周辺では、樹氷を巡るスノーシューツアーやスノーモービル、蔵王温泉で樹氷鑑賞後の冷えた体を温めた後に「こけしの絵付け体験」を楽しむなど、雪国ならではのアクティビティからものづくり体験まで幅広いプランがそろっています。

樹氷を鑑賞した後は、雪山で思う存分遊び、疲れた体を温泉で癒やしましょう。

八甲田山／青森

日本三大樹氷のひとつ、八甲田山（はっこうださん）。八甲田山とは、青森の南側に連なる18の火山群の総称で、日本百名山にも選ばれています。

JR青森駅からバスや車で「八甲田ロープウェー駅前」に向かい、ロープウェイで山頂のビュースポットを目指します。

ロープウェイの中から樹氷を鑑賞できるほか、山頂に着いた後はスキーでより近くからダイナミックな樹氷を見て楽しむことができます。

樹氷の見頃は例年1月〜2月。
春は黄砂の影響で樹氷は黄色みを帯びてしまうため、幻想的な白銀の世界を楽しみたい方は見頃の時期を狙って足を運んでみてください。

周辺で体験できるアクティビティ

八甲田山周辺では、十和田湖のウィンターカヌーやボートツアーで湖上から自然を楽しんだり、八甲田山でスノーシューツアーやスキー・スノーボードを楽しんだりと、樹氷を含め山々の景観を満喫できるアクティビティがめじろ押しです。

森吉山／秋田

日本三大樹氷のひとつ、森吉山（もりよしざん）。
森吉山の樹氷は、秋田の「森吉山阿仁（あに）スキー場」で楽しむことができます。

「阿仁ゴンドラ山麓駅」からゴンドラで「阿仁ゴンドラ山頂駅」へ向かい、下車後5分程度登った先にビュースポットの樹氷平が広がっています。

樹氷の見頃は例年1月〜3月。
2022年は2月の毎週土・日曜・祝日限定で、キャビン付き圧雪車に乗って楽しむ「ナイトツアー」が企画されました。
天候がよければ、星空と樹氷の幻想的なコラボレーションを望めます。

周辺で体験できるアクティビティ

森吉山周辺では、100年を超える歴史をもつ芝居小屋「康楽館」での観劇や施設案内、鹿角（かづの）の古代遺跡や黒又山を巡るミステリーツアーなど、歴史や文化を感じるアクティビティがそろっています。

樹氷鑑賞とあわせて、秋田でしか楽しめない歴史的な名所も巡ってみませんか。

旭岳／北海道

北海道・旭岳は大雪山系の主峰で、北海道最高を誇る山です。

「旭岳ロープウェイ」に乗車し、終着の「姿見駅」が樹氷のビュースポット。
山頂を目指すまでの道中や山頂のデッキから樹氷を見下ろせるのはもちろん、運がよければ雲海が見えることもあります。

旭岳の日没前は、珍しい「サンピラー」と呼ばれる光の柱が出現する現象も有名なので、樹氷とあわせてさらに幻想的な景色を楽しめます。

周辺で体験できるアクティビティ

旭岳周辺では、スノーシューハイキングで旭岳周辺の冬山を散策したり、人気の観光スポット「旭山動物園」に遊びに行ったり、富良野でラベンダー畑をはじめとする花畑散策など、四季折々の自然や、のびのびと育つ動物と触れ合うアクティビティが充実しています。

志賀高原・菅平高原／長野

長野・志賀高原は県内北東部に位置し、18のスキー場を有する人気のスノーリゾートです。

樹氷のビュースポットは、標高2,307mの横手山山頂一帯。周辺はスキー場なので、山頂までリフトで出向けるのはもちろん、スキーやスノーボードを楽しみながら樹氷を鑑賞できます。

長野・菅平高原は、県内東部に位置し、根子岳の山頂付近が樹氷のビュースポットです。
根子岳の麓にはスキー場があり、冬場は「スノーキャット」という雪上車に乗って樹氷の中を散策できるツアーも展開されています。

志賀高原も菅平高原も、樹氷の見頃は1月下旬〜2月。
スキーやスノーボードに自信がない人でも、「スノーキャット」のようなスキー場が提供する散策ツアーを利用して楽しめます。

周辺で体験できるアクティビティ

志賀高原・菅平高原の周辺では、運がよければロープウェイから雲海が広がる幻想的な景色を楽しんだり、樹氷やスノーアクティビティを楽しんだ後に日帰り温泉で冷えた体を温めたり、自然と癒やしを満喫できるアクティビティが盛りだくさんです。

御在所岳／三重

三重・御在所岳（ございしょだけ）は、県内で唯一のスキー場を有するエリアです。

鈴鹿山脈に属しており、日本二百名山にも選ばれています。
御在所岳の樹氷のビュースポットは、御在所岳山頂、「御在所山上公園」の「朝陽台（ちょうようだい）広場」や「富士見岩展望台」「御在所スキー場」など、山頂エリアを中心に広がっています。

樹氷の見頃は1〜2月。
ロープウェイで山頂まで約15分で到着、御在所山上公園を散歩しながら自分のペースでゆったりと樹氷を鑑賞できますよ。

周辺で体験できるアクティビティ

御在所岳周辺では、陶芸体験やガラス細工作りなどのものづくり体験や、亀山でのキャニオニングなどを楽しめます。

樹氷を鑑賞したり、スキーやキャニオニングなどのアクティビティを楽しんだ後は、ものづくり体験で思い出を形として残してみるのもおすすめです。

今年の冬は幻想的な樹氷鑑賞を楽しもう！

世界的にも鑑賞できる土地が限られている「樹氷」。
せっかく日本に住んでいるのだから、今年の冬は迫力満点な樹氷と白銀の世界を楽しんでみるのがおすすめです！

スキー場が提供しているツアーもあるので、スノーアクティビティを楽しむ際はあわせて樹氷鑑賞もプランに組み込んでみてください。

※プランや料金・紹介施設などの情報は2022年9月現在の情報です。

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