ダイビングの楽しみ方・魅力とは?PADI担当者に徹底インタビュー!
アクティビティジャパンで人気のアクティビティといえば、ダイビング!
沖縄をはじめとして、日本全国で通年体験できるため、多くの人々が楽しんでいます。
今回は株式会社パディ・アジア・パシフィック・ジャパン、マーケティング本部・廣島(ひろしま)まひるさんにインタビュー!
PADI(Professional Association Diving Instructor)はダイビングライセンスを発行する教育機関。
全世界の約60%を超える2800万人をダイバーを認定した、世界最大のダイビング教育機関です(2020年調べ)。
取材では、ダイビングの楽しみ方や魅力、ショップの選び方をうかがいました。ダイビングをする際に役立つ情報が満載ですよ!
ダイビングの楽しみ方・魅力
「ダイビングの楽しみ方や魅力」とは?ダイビングの楽しみ方や魅力を知り尽くしている廣島さんにうかがいます。
廣島さん:ダイビングの楽しみ方は人それぞれ。例えば、都内に住んでいる人ならば、ダイビングで非日常を感じたり、癒やしやヒーリング、リラックス効果を感じたりするのを楽しむ人もいますね。
癒やしやヒーリング、リラックス効果を求める人とは逆に、冒険気分を楽しむ人もいます。ダイビングでは沈船や洞窟、ナイトダイビングなども楽しむことができるんですよ。
ほかにも「ウミガメや魚など生物との出会いを楽しむ人もいる」「水中写真が面白くてのめり込む人もいる」そうです。
最近の傾向として「ゴミ拾いやサンゴの植え付けなど、海洋保護に取り組みたい人も増えている」という。
間接的なことですが、ダイビングを通して共通の趣味を持つ人との出会いや、新たな旅行先を発見するなど、世界が広がっていくことに楽しさを感じる人も多いそうです。
季節ごとの楽しみ方
廣島さん:関東では秋冬の海は透明度が高くなるので、遠くまで景色を楽しめます。さらに、沖縄の魚が黒潮に乗って、伊豆に来たりするのも魅力ですよ。
春夏は海中にプランクトンが増えるため、遠方までは見えづらい。しかし、プランクトンがいる=魚もたくさんいるので生命に溢れた季節を体感できるのが魅力なんだとか。
季節ごとに違う生物に出会えたりするのも楽しいんだそう。なお、海の中は陸上の温度変化と2ヵ月ずれるそうです。
場所による楽しみ方の違い
廣島さん:沖縄などのリゾートも良いですが、大都市から近い海でダイビングをするのもまた違った楽しみ方があります。
ダイビングショップの1/4は沖縄にあり、国内有数のダイビングスポットというのは有名です。しかし、「ダイビングは日本各地の海で楽しめることを知ってほしい」と廣島さん。
沖縄以外の海はきれいじゃないという誤解もありますが「そんなことはないですよ(廣島さん)」。「きれいな海」とは海の透明度や魚の多さなど、人により基準はさまざまです。
ダイビングが長く続く人の特徴
ダイビングを趣味として長く続けられるのは、どんな人なのか。
廣島さん:ライセンスをゴールにせず、ダイビングで目的が見つけられる人がダイビングを長く続けられる傾向にあります。
ダイビング自体はあくまで手段。自転車に乗れるのと同じようなものです。
ダイビングができるようになった先で「珍しい生物に出会いたい」「海洋保護に取り組みたい」「水中写真を通して、美しさを伝えたい」など目的が見つけられる人は長く続きます。
日本だと海が近いため「週末に日帰りでダイビングを楽しめる」のがメリット。「それは日本ならではの良さ」だそうです。
体験ダイビングとは?
ダイビングツアーにはライセンス不要&初心者向けの「体験ダイビング」というプランがあります。
具体的には、ライセンス所有者向けのツアーとはどのような点が異なるのか。
ちなみに、よくツアーの説明などでは「ライセンス」と記載していますが、実際には認定証(Cカード)です。
廣島さん:体験ダイビング(初心者向け)とライセンス所有者ツアーとの違いは、「インストラクターの管理レベルとダイバー自身の水中での自由度」。
体験ダイビング(初心者向け)ツアーでは、毎回学科を受講し、最低限のスキルを学ぶ必要があります。また、ツアーではインストラクター付きで12mまで潜ることが可能です。
ダイビングライセンス所有者向けのツアーは、OWD(オープン・ウォーター・ダイバー)では18mと、潜れる深さはライセンスのランクにより増えていきます。
体験ダイビングショップの選び方
体験ダイビングのショップを選ぶ時には「料金の安さで選ばない方が良い」とのこと。
そういったショップは、少ないスタッフで大勢のお客さんを相手にする場合が多いそう。
細かいところにスタッフの気が回らず、楽しく体験できないことが多いことも。
その結果、ダイビングが怖くなったり嫌いになってしまったりする可能性もあるそうです。
ダイビングをする際に気をつけたいこと
廣島さん:ダイビング中にトラブルを起こさないためには「体調を整えて、無理をしない」ことが大切です。
旅行でダイビングに来ているから日程の関係上「今日しかない」と、体調が悪いのに無理をしてダイビングするのは止めましょう。
ほかにも「予約前にメディカルチェックシートをもらって確認しておく」と安心です。中には診察を進められる人もいます。
事前にチェック項目を把握しておかないと、当日せっかく行ったのにダメになる可能性もあります
また、虚偽のチェックをすることもやめましょう。
ダイビングライセンスを取得するメリット
廣島さん:体験ダイビングに参加した場合、毎回学科の講習とスキルの練習を受ける必要があります。毎回ダイビングができる時間が減ってしまうんです。
しかしダイビングライセンスを取得すると、受ける必要がありません。
スキー場で例えると、わかりやすいかもしれません。体験ダイビングは雪遊びエリアみたいな感じ。ほんのちょっとしか体験できていない。
ダイビングライセンスを取得すると、コースに出て、初級〜上級者コースなどもっと面白いコースでスキーやスノボができる。ダイビングライセンスもそれと同じです。
ダイビングライセンス講習を受けても取得できない場合もある?
廣島さん:ダイビングライセンスの講習を受けている時に自分で「うまくできないな」と思う場面が多いと、やはりライセンスを取得できないケースもあります。
ダイビングのライセンス取得は受け入れていくためのもの。そのため、「落とすための試験ではない」とのこと。
安全に楽しむために必要なスキルを身に付けることが講習の目的であり、できるようになるまで、インストラクターがサポートしてくれます。
ダイビングライセンス取得ショップの選び方
廣島さん:たとえば首都圏に住んでいる場合、神奈川や静岡などの近場でダイビングライセンスを取ると「通いやすい」というメリットがあります。
「バケーションを楽しみたい」と沖縄などのリゾート地でダイビングライセンスを取る人が多いですね。
その中でも、スタッフが多く在籍する大型ショップや、家族経営のアットホームなショップなど、その形態は実にさまざま。いろいろなタイプのショップを実際に見て判断してみてください。
そのほかのポイントは下記を参考にしてください。
- 料金をチェック
→料金と人数は比例する。安い=大人数 高い=マンツーマンなど
→料金の基準は東京なら7~8万円、リゾート地なら5~6万円ほど - 明瞭会計
- ショップスタッフと話してみる
- どれだけ安全にケアされているか
- ホームページなどでPADI登録店かどうかチェック
ライセンス取得後におすすめのダイビングスポット
廣島さん:関東近郊なら、静岡・伊豆、神奈川、千葉がおすすめです。
山陰は瀬戸内海。四国では愛媛・愛南ですね。ソフトコーラルがカラフルできれいでした。
九州なら福岡、宮崎・延岡など。
北海道なら積丹、東北なら南三陸など、ダイビングのメッカは全国各地にたくさんありますよ。
ダイビングは海だけではなく、湖や川でもできるのが魅力。廣島さんは川でダイビングをしている時に、オオサンショウウオに出会ったこともあるんだとか!
意外な生き物に出会えるのもダイビングの魅力といえますね。
ダイビングのスポット情報は人づてに聞いてみるのが確実。
おすすめのダイビングスポットを上級者に尋ねると、良いコミュニケーションにもなりますね!
廣島さんにうかがい、体験ダイビングとライセンス所有者向けのツアーの違いもわかりやすく、勉強になりました。また、ダイビングライセンスを取得するショップを選ぶポイントも参考になります。
ダイビングでは沖縄エリアが注目されがちですが、神奈川や千葉、静岡・伊豆、紀伊半島の串本などの近場でも魅力的なダイビングスポットがたくさんあります。
今回のインタビューでも日本各地の魅力的なスポットを多数紹介いただいたので、ぜひ参考に訪れてみてくださいね。
※本記事の内容は2024年4月現在の情報です。
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