バックカントリーで事故!責任や費用は?対策を伝授
バックカントリーは、手つかずの自然の中をスキーやスノーボードで滑るアクティビティ。
最近人気が高まっていますが、事故も増えています。
今回はバックカントリーを特集。
バックカントリーの事故を防ぐ対策を解説します。
ほかにも、バックカントリー中、事故に遭った場合の責任や費用はどうなるのかもお伝えします。
バックカントリーはなぜ人気なの?魅力は?
前述しましたが、バックカントリーは人が管理・整備していない山岳エリアをスキーやスノーボードで滑走するアクティビティです。
まだ誰も滑っていない雪上はふわふわ!
バックカントリーは、まるで空を飛んでいるような浮遊感を味わえるのが魅力です。
日本の雪は一般的に外国のものよりも水分が少なく、柔らかいのが特徴。
「パウダースノー」と呼ばれ、外国人にも人気です。
ふわふわのパウダースノーでバックカントリーを楽しめるのは、日本ならではの魅力。
毎年パウダースノーを求めて多くの外国人が来日します。
しかしそれに伴い、日本人だけでなく、バックカントリー中に事故に遭う外国人も増加しています。
バックカントリーで発生する事故・リスク
警察庁によると、バックカントリー中に毎年100人ほどが遭難しています。
ニュースで取り上げられるものだけでなく、バックカントリーでは多くの事故が発生していることがわかりますね。
以下では、バックカントリーで発生する事故・リスクを解説します。
バックカントリー中に大きな崖に気づかずに転落してしまったり、雪がアイスバーンのようになっていたことが原因でバランスを崩し、滑落してしまうことも。
割れ目のようなところに落ちてしまうこともあります。
また、樹林帯を滑走中にコントロールを失い、木にぶつかってケガをする人も。
天候により視界が悪いために誤った方向に進んでしまったり、スピードを出しすぎて誤った場所にたどり付き、道に迷ってしまうケースもあります。
骨折のようなケガをすると動けなくなってしまうため、低体温症になる危険が高まります。
低体温症に陥ると、命の危険も。
バックカントリーでもっとも危険なのは表層雪崩。
見た目にはまったくわからず、何の前触れもなく発生します。
表層雪崩は時速200kmに達することもあり、大変危険です。
バックカントリー 事故を防ぐには
- ツアーに参加するor経験豊富な人と楽しむ
- ビーコン(トランシーバーの一種)やゾンデ棒、シャベルなどを装備する
- 新雪が積もった谷には立ち入らない
- 天候・地形・雪崩の状況などエリア・ローカル情報を地元の人から入手する
- 「バックカントリー=雪山を登山する」と考えてしっかり装備をする
スキーやスノーボードの経験が豊富でも、バックカントリーはまた別もの。
初心者の場合はバックカントリー・ツアーに参加するか、経験豊富な人と一緒に楽しみましょう。
個人でバックカントリーを行う場合、装備がとても重要です。
ビーコンは、雪崩により雪中に埋没してしまった人を捜索する際に使用する必須アイテム。
雪中を突き刺しながら人を探すゾンデ棒も必要です。
行方不明者が見つかった際に使用されるシャベルも持参しましょう。
また、新雪が積もった谷は雪崩が発生しやすい状態なので危険です。
立ち入らないようにしてください。
天候や地形、雪崩の状況は必ず地元の人に確認しましょう。
日本語がわからず、エリアやローカル情報をチェックしていない外国人は、特に事故に遭いやすいと言えます。
バックカントリーは「スキーやスノーボードの延長線上にある気軽に楽しめるアクティビティ」というイメージを持っている人が多いかもしれません。
しかし、実際は「スキーやボードを活用して雪山を登山する」という表現の方が正しいでしょう。
冬の雪山では油断は厳禁です。
バックカントリーは「人が管理・整備していない山岳エリアを走行」するもの。
そのため個人でバックカントリーを楽しむ場合、スキー場には責任がありません。
思い違いをしている人も多いですが、バックカントリーはゲレンデの立ち入り禁止区域やロープをくぐった先で行う「コース外滑走」ではありません。
2023(令和5)年には、フリースタイルスキーの元世界王者であるアメリカ人が、長野県でバックカントリー中に事故に遭い、亡くなりました。
スキー・スノーボードの上級者であっても、手つかずの自然が相手であるバックカントリーでは事故に遭ってしまう危険があります。
バックカントリーを楽しむ際には、上記を確認して必ず準備・対策をしてくださいね。
バックカントリーで事故!責任や費用は?
ツアーに参加せず、個人でバックカントリーを楽しんでいる中で事故に遭ってしまった場合、すべては「自己責任」です。
警察や消防など公的機関による救助費用は無料。
ただし、バックカントリーで事故に遭った場合、民間の救助隊員に出動を要請するケースも。
すると、隊員1人あたり1日3~5万円ほどの日当が発生します。
事故現場に近いスキー場に救助活動を協力・依頼する場合は、スノーモービルや圧雪車の出動料金、リフトを時間外に運行する費用なども加算されます。
捜索が長期化すればするほど費用がかさみ、数百万円にのぼることもあります。
バックカントリーを安全に楽しもう!
ふわふわのパウダースノーを満喫できるバックカントリーは、非日常を体験できるのが魅力。
誰も滑ったことのない真っ白な雪の上を滑走するのはとっても気持ちいいですよね。
しかし、管理・整備されていない山岳エリアを安全に滑るには、ツアーに参加したり熟練した経験豊富な人と楽しむのがおすすめですよ。
ローカル情報を入手したり、装備品を準備するのも怠らないようにしましょう!
※本記事の内容は2024年2月現在の情報です。