クマに遭遇したらやってはいけないことは?登山・トレッキング・キャンプの注意点
全国的にクマに遭遇するニュースが連日、数多く報道されています。
市街地にもクマが出没する昨今。誰もが不意にクマに遭遇してしまう可能性があります。
クマに遭遇してしまった際にやってはいけないことを事前に学んでおけば、万が一の時でも落ち着いて行動できますよ。
人気のレジャーである登山&トレッキング、キャンプ中にクマに遭遇したらどうすればいいのかもあわせて紹介します。
ヒグマとは|ツキノワグマとの違いや習性
まずは日本に生息するクマについて解説しますので、一緒に見てみましょう。
生息地 | 北海道 |
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体長 | 220cm~230cm |
体重 | 150kg~250kg |
生息地 | 本州&四国 |
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体長 | 110cm~150cm |
体重 | 80kg~120kg |
日本には、ヒグマとツキノワグマが生息しています。
ヒグマは北海道の約半分の地域に生息。森林を主な生息地としますが、木の少ない原野に 出没することもあります。
ツキノワグマは本州と四国の山地に生息しています。主な生息地は落葉広葉樹林のあるところ。
東北地方や中部地方では 6割以上、関東、近畿、中国地方では 3割程度の地域に生息。四国は限られた地域にだけ生息しています。
実はツキノワグマは東京でも目撃されています。2023(令和5)年には東京・多摩地区や八王子市、青梅市、あきる野市、町田市などで127件もの目撃情報が寄せられており、不意に遭遇してしまうことも(11月10日現在)。住んでいるエリアの目撃情報をチェックして注意しましょう。
ちなみに、以前は九州にもツキノワグマが生息していましたが、50年ほど前から生息は確認されていません。
ツキノワグマよりもヒグマの方が体長が大きく、体重が重いのが特徴です。
食べ物 | 雑食 |
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運動能力 | 高い |
泳げるか | 泳げる |
時速 | 最大60km |
得意なこと | 穴掘り |
冬眠 | 12月~翌年3月ごろ |
性格 | 慎重で臆病 |
食べ物 | 雑食 |
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運動能力 | 高い |
泳げるか | 泳げる |
時速 | 時速40~50km |
得意なこと | 木登り |
冬眠 | 11月~翌年4月ごろ |
性格 | 慎重で臆病 |
ヒグマとツキノワグマは基本的に雑食。どちらも運動能力が高いのが特徴です。
ちなみに、シティサイクル(ママチャリ)の速度は時速4~20kmほど。シティサイクル(ママチャリ)でもクマが走る速度にはかなわないので、振り切ることはできません。
時期は若干ずれますが、ヒグマとツキノワグマどちらも冬眠をします。
冬眠前には多くの食べ物を食べて食いだめを行いますが、主食のどんぐりなどが少ないと人里に出没する可能性も。冬眠前の秋は特に注意が必要です。
ヒグマとツキノワグマのどちらも性格は基本的に慎重で臆病といわれています。
しかし性格は個体差が大きいので油断は禁物。また、最近では人を恐れないクマも増えています。
クマが人里に出没する理由
クマが人里に出没するのは、上記のような理由が考えられます。
いちばんの理由は、主食となる木の実が不作のためエサが不足していること。
また、高齢化などで狩猟者が減少し、クマの個体数が増えていることも理由に挙げられます。
同じく高齢化などで耕作放棄地が増え、クマと人里の境界線が曖昧になっています。
クマは学習能力が高いのが特徴。一度「人間は怖くない」「人間の食べ物はおいしい」と学んでしまうと、市街地に出没するアーバンベア(都市型クマ)に変化します。
クマに遭ったらやってはいけないことは?
- 急に行動する
- 慌ててしまう
- 背中を見せて走る
- クマと目を合わせる
- 単独で行動する
ヒグマとツキノワグマに遭った時に、やってはいけないことは同じ。
急に行動したり慌てたりすると、クマが驚いてしまい、どんな行動を取るかわからないので危険です。
クマに遭遇した際に背中を見せて走るのも絶対NG。クマは本能的に逃走する対象を追いかける傾向があるので、背中を見せて逃げ出すと攻撃性を高める場合があります。
クマと目を合わせることも、攻撃の合図になるのでとても危険。クマから目を離さないように注意しつつ、目を合わせないようにしてください。
前述した通り、クマは基本的には臆病で慎重な性格をしているため、人を避けます。そのため、単独ではなく複数で行動すれば自然に騒がしくなりやすく、クマと遭遇する確率は低くなります。
また、仮に出遭ったとしても、単独行動と比べ、心理的にも物理的にも有利。4人以上の集団に本攻撃を仕掛けるクマはまれです。手をつなぎ、横に広がって大きく見せる方法も有効です。
登山・トレッキング中クマに襲われないために|遭われたら?
登山やトレッキングは最近人気のアウトドアですが、クマに遭遇しないためには自治体の目撃情報をチェックするなど、事前に情報収集することが大切です。クマの目撃情報があるエリアでは、できるだけ登山・トレッキングをするのはやめましょう。
登山・トレッキングをする際には、単独行動を避け2人以上で行動を。グループで行動していると、クマが人に気づいて避けることもあります。単独行動をしていると、クマに遭遇してケガをしても、連絡が取れずに救助が遅れてしまうことも考えられます。
登山やトレッキング中はクマ鈴やラジオなどでクマに自分の存在を知らせるのも有効。
また、万が一クマに遭遇したら「とにかく落ち着いて行動すること」が大切です。
考えたくはありませんが、クマに襲われてしまったら顔や頭を腕やリュックでガードし、致命傷を防ぎましょう。
キャンプ中クマに遭わないためには?
クマの目撃情報があるエリアでキャンプをするのはやめましょう。事前に目撃情報を収集することはとても大切です。
ほかにも、テントや調理場、食事をした場所から離れた場所に食料を保存すること(可能であれば100mほど)。実例のように、テント内で食料を保存しているとエサを探しているクマに襲われてしまう可能性が高くなります。
クマ対策を万全に行い、レジャーを楽しもう!
クマに遭遇しないためには、事前に情報収集を行うことがとても大切。また、クマの生態を学んでおくことも重要です。
登山やトレッキング、キャンプは最近特に人気を集めているアクティビティですが、常に注意を怠らず、安全に楽しんでくださいね。
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※本記事の内容は2023年11月現在の情報です。