小笠原父島戦跡の記憶が眠るアドベンチャーツアー！戦争の歴史を学ぶ旅へ。

最近私は東京・小笠原諸島の父島で体験できるダイビングやシーカヤックなどについて調べていました。母島もあるんですよね(余談)父島には太平洋戦争時の軍事施設等の残骸が、当時のまま多数残されているということを知りました。父島からさらに南に約280kmのところにある硫黄島は、日本軍と米軍の激しい地上戦が行われたことで有名ですが、現在一般の人が行くには、唯一の交通手段「おがさわら丸」にて上陸するツアー（年に数回開催)に参加するしかありません。

硫黄島のような激しい戦場にはなりませんでしたが、父島には「父島要塞」が築かれ、非常に厳しい様子だったことが想像できます。父島は硫黄島に比べるといつでも行けますし、戦争の跡を巡って解説してもらえるツアーがあることを知り、とても興味が湧いたので紹介します。立ち入りにガイドの同行が必要な保護区域もあるので、個人的には行かず、こういったツアーを利用するようにしましょう。

午前から午後まで6時間程案内してもらえてランチもついているのですが、ちょっと高いなぁと思います。なるべくたくさんの方に体験してもらいたいプランなので、もう少し安ければ良いのにな。

ツアーに参加する前に、行って見てみたいところについて調べました。

・夜明山にある海軍通信隊本部跡
コンクリートが空襲によって一部崩壊した跡がそのままになっていて、戦争の悲惨さを物語っています。通信隊本部以外にもコンクリートの建物がいくつか残っていて、炊事場には旧帝国陸軍のマークがついた食器なども確認できるようです。円形の台座は砲台用に造られたものの、大砲が設置されることはなかったとのこと。近くには全長約150mの地下壕もあります。入口は火炎放射器対策のために入り組んだ構造になっています。地下壕にはダイナマイトを入れて発破した跡も多く残されているようです。私は以前沖縄でも大きな防空壕に行ったのですが、内部に漂う独特の空気を今でも覚えています。
・濱江丸（ひんこうまる）
境浦海岸に放置されている濱江丸は、米軍の空襲と魚雷によって座礁した貨物船です。写真だとあまり良くわかりませんが、実際に見たら色々と感じることがありそうです。
・発電所
重要な通信施設だった地下壕で、扉が4重になっているそうです。
・12センチ高角砲
コンクリートで固められた地下壕で、アメリカ軍の上陸に備えて造られたと思われます。壕から海の方向へ向けられた砲身を見ることができます。
・八八式7センチ野戦高射砲
こちらもコンクリートで固められた地下壕の中に、ほぼ完全な形で残されています。製造年は昭和16年。高射砲は島の西側の海岸に来る的を狙っていて、父島の防衛の要の場所だったのです。
・その他
トーチカと呼ばれるコンクリートでできた防御陣地、物資を運ぶためのトロッコ軌道の残骸など、見てみたいところが他にもたくさんあります。

戦後70年が経ち、戦争を経験した方から話を聞ける機会も減ってきています。そんな中で、専門的な知識をもったガイドと一緒に戦跡を巡るツアーはとても貴重な経験になることは間違いないです。今のこの平和を築いてくれた悲しい歴史をもっと知りたいので、父島に行ったら必ず参加したいと思います。午前中だけのコースもあるので、興味がある方はぜひ。