【奈良・五條】榮山寺特別参拝～住職と国宝、美仏を巡る御案内、御法楽(御祈祷)付き～

榮山寺 榮山寺は、奈良時代に藤原南家の祖・武智麻呂が創建した寺院です。 藤原氏ゆかりの祈りの場として千三百年もの歳月を重ね、 境内には奈良時代をはじめ平安、鎌倉、室町より今に伝える文化財が数多く残されています。また弘法大師空海が修行のため立ち寄り、祈りを捧げたという音無川の伝承が残ります。 静寂に包まれた山と吉野川の間に建立された榮山寺は、華やかさよりも“深い落ち着き”が魅力。 足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくり流れはじめ、「なんとなく心が軽くなる」「気持ちが整う」と多くの参拝者が口にします。 古いだけではなく、現代の文化を受け入れ、奉納プロレスや太鼓・ファッションショーなど新たな奉納行事も行います。 時代に合わせながら祈りを絶やさず続けてきた榮山寺—その姿そのものが大きな魅力です。

御本尊　薬師如来 榮山寺の御本尊薬師如来は、長く秘仏として守られてきた尊像です。 一歩対座すると、その穏やかさと力強さを同時に感じさせる気配に、多くの参拝者が息をのみます。 薬師如来は古来より、病気平癒、心身の癒やし、厄除け、再生、願いを叶える力 を授ける仏として信仰されてきました。 姿を拝すると、不思議と心の奥にある不安や迷いがほどけ、 「また歩き出そう」と思わせてくれるような温かさがあります。 単なる“祈る対象”ではなく、寄り添い、支え、光を示してくれる仏 それが榮山寺の薬師如来です。

国宝八角円堂 榮山寺の象徴ともいえる国宝・八角円堂は、藤原南家の祖・武智麻呂の菩提を弔うため、奈良時代に建立された祈りの空間です。 外観は現存する八角円堂の中では少し小さいが間近で見上げる迫力や静けさを湛える佇まいながら、 一歩お堂の中に足を踏み入れると、天平の美や歴史を伝える空気が今もそのまま残っています。 堂内には奈良時代に描かれた装飾画「音声菩薩」「天女」「宝相華」が伝えられ、 天平期の色彩や線の柔らかさが、残るその表情から感じられます。 完全な姿ではなくとも、「この空間にどれほどの祈りが積み重なってきたのか」 と想像させる、強い余韻を放っています。 八角円堂は単に古い建物ではありません。約1300年前の祈りが蓄積され、 訪れる人を包み込むような深い静寂が満ちています。 多くの参拝者がここで立ち止まり、「時間が止まったように感じる」「心が澄む」と口にするのは、 この建物が“祈るために建てられた建物”であるからこそです。 榮山寺の八角円堂は、建築・信仰・美術がひとつに溶け合う、まさに祈りの空間そのものが国宝となった場所と言えるでしょう。

榮山寺特別参拝・御法楽（ご祈祷） 榮山寺の特別参拝は、普段は閉ざされている堂内に入り、国宝八角円堂、御本尊薬師如来、文化財を間近に拝観できる貴重な機会です。 ただ“見る”だけでなく、歴史と祈りの流れの中に自分自身がそっと入っていくような体験が味わえます。 さらに榮山寺では、薬師如来の前で執り行う御法楽（ご祈祷）も行います。 皆様の身体健全や除災招福をお伝えし、住職が読経し祈りを捧げるその時間は、 喧騒から切り離された“心の静寂”そのもの。 祈祷後には「胸が軽くなった」「不思議と前向きになれた」と多くの声が寄せられ、 参拝者の心を整え、背中をそっと押してくれる時間として喜ばれています。 特別参拝と御祈祷を通じて、榮山寺が千三百年の間守り続けてきた“祈りの本質”に、静かに触れることができます。