パラグライダーに関する用語

アウトアンドリターン

定められた出発地点から飛び立ち、あらかじめ設定された目標地点(パイロン)を折り返し、ふたたび元の出発地点まで飛行して戻ってくる競技種目の一つ。 クロスカントリー飛行などで、目標地点を設定してから、折り返して帰って来る場合にも「アウトアンドリターン」という言葉が使われる。練習においても、単にフリーフライトで漠然と飛行するよりも「アウトアンドリターン」を想定してフライトした方が実質上の練習になるとされる。

アクセレーター

フットバーを足で踏むことにより、パラグライダーの抑え角(アタックアングル)を小さくして、加速する装置。 フットバーからのラインは、ブロックを通じてAライザーをはじめとした各ライザーにつながれていて、パイロットのフットバーの踏み加減により飛行速度を可変。 パラグライダーの重量を支えている「キャノピー」のアタックアングルを変えることはかなりの力が必要だが、動滑車の原理を用いたアクセレーターを使えば、踏み込みも容易。

アクロバット飛行

パラグライダーで行う曲芸飛行。 大会において一般的によく理解されていないパラグライダー競技であるが、アクロバットの場合は、見応え十分、世間への認知のためにも重要な競技種目となっている。 以前は、アクロバット飛行の失敗は、すぐに重大な事故へと結びつき、大会としては敬遠されていた時期もあったが昨今は、不時着が比較的容易な湖上での開催やオーガナイズのハウツウも出来上がり、危険回避がシステム化されるようになった。

アシスタントインストラクター

日本パラグライダー協会(JPA)が定める技能認定証の一つ。 パラグライダーのインストラクターになるためには、最初に「アシスタントインストラクター」の技能証を取得してから、フライトの経験を積む。 「アシスタントインストラクター」になるとインストラクターの監督の下に、JPA登録校の開催する講習会に参加する練習生の飛行を監督したり、ベーシックパイロットやプライマリーパイロットの飛行を監督したりするなど、助教員としての仕事ができる。

あて舵

カウンターフレアーのことで、「あて舵」という言い方が一般的。 パラグライダーを旋回させるためには、ブレークコードを引く。機体は引いた側に旋回するが、旋回の外側のブレークコードを引いたり戻したりすることで、 旋回中のパラグライダーの安定を高める。「あて舵」を習得すれば、安全に効率の良い旋回が可能。 また、何らかの理由で片翼潰れが生じた場合、潰れた側への旋回を防ぐために反対側のブレークコードを引く操作のことも指す。

アラウンドパイロン

ある地上の目標物を中心に、360度の旋回を連続した技で、一般的には「アラウンドパイロン360度連続旋回」と称する。 風のある状況でフライトを行い、そのまま360度旋回すると、目標物から風下に軌道がズレる。このズレを考慮しながら旋回を行うテクニック。 クロスカンロリー飛行など、通常降り慣れていない所へのランディングの際や、目標地点を定めて風に流されないように、自分の位置をキープして高度処理を行う時などに用いられる。

ウインドグラジェント

上空と比べると地上近くで急激に風速が減少すること。 着陸しようとアプローチするとき(ランディングアプローチ)にこの影響を受けると、地上に近づくにつれ急に風が無くなるのでパラグライダーが失速。また上昇気流に乗る「リッジソアリング」で尾根や絶壁に近づくときに、山側の翼が急に失速し吸い込まれるようにして山沈するのもウインドグラジェントの影響によるもの。 壁ギリギリを飛んだり、ある程度の大気スピードを保ったりするなどの対策が必要。

エアスピード

飛行中の気流に対する機体の速度のこと。 無風の時にはこのエアスピード(対気速度)とグランドスピード(対地速度=地面に対する物体の速度)は同じになる。 エアスピードを計測する固定式の「スピードセンサー」もあり、ダウンチューブやベースバーなどに取り外し可能なテープで固定して使用する。またつり下げ式で、ケーブルの端をハーネスに固定し、離陸後に空中に放つ「ドラッグセンサー」というエアスピード計測用センサーもある。

グランドハンドリング

空港地上支援業務のことを指すが、パラグライダーにおいては地上で行う基本操作のトレーニングのこと。 キャノピーをライズアップさせること、傾いてしまったキャノピーを修正すること、スラローム走行を行うことなどはグランドハンドリングのなかでも基本中の基本。これによってキャノピーのコントロールの要領を身体に覚え込ませるのが目的。パラグライダーの上達にとっては最も重要なトレーニング。略して「グラハン」とも呼ばれる。

クロスカントリー

パラグライダーの場合は上級者向けの競技のことを指す。 大会期間中に離陸地点から「どれくらい遠くまでパラグライダーで飛ぶことができたか」を競う。熱上昇風を利用して、気候や地形などを読みながら飛び続け、一番直線で長い距離を飛ぶことができた人が優勝。 管理エリア外を長距離に渡ってフライトするクロスカントリーは、軽飛行機などに遭遇したり、他人の土地にランディングしたりすることもあるので、技術や判断力のほかモラルも必要となる。それらを全て取得した証として「クロスカントリーパイロット証」は必須。

クロスハンドライズアップ

通常は、正面を向いてキャノピーを立ち上げるが、クロスハンドライズアップは後ろ向きに立ってライズアップ(キャノピーに空気を孕ませて、飛行可能な状態になるように翼を作ること)する方法。 後ろ向きなのでブレークコードの操作が逆になるため、両手を身体の前でクロスさせた状態で行う。 またクロスさせないで前を向いた後、ブレイクコードの持ち替えをするなど方法はさまざま。 クロスさせるさせないに関わらず、すべて後ろ向きでライズアップする方法を「クロスハンドライズアップ」と呼ぶ。

サーマルソアリング

暖かくなった大気の塊(サーマル)は上昇する性質を持っていて、このサーマルを捉えて飛行することをサーマルソアリングと呼ぶ。 地形を見れば上昇風が発生している場所を推測しやすい「リッジソアリング」とは異なり、フライヤーの高度なテクニックと判断力、知識などが必要。 リッジソアリングの時と同様に、センタリングなどを繰り返しつつ、できるだけサーマルの内側にとどまることによって高度を上昇。上手くできるようになると飛行範囲を広げたり、到達高度を得たりすることが可能になる。

サスペンションライン

パラグライダーのときに翼となる布製のキャノピーから伸びるフライヤーを吊るすためのラインのこと。 ライザーに束ねられてカラビナを通してハーネスへとつながっている。「ケプラー」「ダイマーイ」などの引っぱり強度に強い化学繊維で作られている 。また、キャノピーの最後部の縁から取り付けられたサスペンションラインをまとめるライザーのことを「リアーライザー」と呼ぶ。ライザーは前からA、B、Cとも呼ぶので、片側4本のパラグライダーのときにはDライザーとも呼ぶことも。 パラグライダー

ストール

飛行中のパラグライダーが高度を失って失速し重力で下に落ちること。 初心者の場合、ブレークコードを引きずり過ぎて急に沈下し、コントロールができなくなったり、キャノピーが潰れてしまうことも。ストールの前触れとして風を切る音が小さくなったり、ブレークコードが重くなったり、キャノピーの左右が潰れたりするので、気がついたらブレークコードを戻して加速するようにすれば回避も可能に。 キャノピー全体が完全にストールになった状態のことを「フルストール」と呼ぶ。

スピードレース

パラグライダーには色々な種類の競技があるが、スピードレースはかなりの上級者向けの競技で、その名の通りスピードを競う。 レースの当日に、スピードレース大会の開催者がその日の天気や風などのコンディションを考えてタスク(フライトするコース)を設定。大きな大会になると1日がかりで、フライト距離も80キロメートル以上にもなるタスクが設定されることも。大会は複数回開催されるので、最終的に各タスクの総合順位で優勝者を決定する。

ソアリング

滑空を楽しむには、上昇風に乗って高度を上げる「ソアリング」という技術が重要になる。 初心者はまずこの技術を身につけるために練習する人が多い。鳥が羽をはばたくことをせず翼を固定して上昇風に乗るのと同じことで、羽ばたきとソアリングを繰り返して自由な場所へと飛ぶ動作はパラグライダーも同様。 離陸して滑るようにゆっくりと降下するだけではなく、高度を上げて自由自在に鳥のように飛ぶためには大切なテクニック。

パイロン競技

パイロン競技、パイロンレースは、パラグライダーの競技種目の一つ。パイロン(地上にある目標物)を決められた順番で巡回し、そのスピードや到達時間、距離、達成度などを競う。 パイロンを通過する様子や判定は、写真撮影やGPSなどを用いて行われる。高いスキルや経験、知識の深さが必要なので、初心者や中級者ではなく、主に上級者が行う。またこの競技を行うときにはクロスカントリー飛行を伴うので、「クロスカントリー技能証」も必要になる。

パラグライダー

パラグライダーは「キャノピー」と呼ばれる布製の翼と、フライヤーが座る「ハーネス」、これらを結ぶ「ライン」でできている。 キャノピーの下にフライヤーがぶら下がって振り子のような状態になり、安定して飛ぶことができる。形状や名称がパラシュートに似ているので安全性が高い乗り物と思われるが、パラシュートをグライダーに進化させたものなので特性は異なる。キャノピーは細長くて、気流の変化に対応できる許容範囲がハングライダーより狭いので注意が必要。

パラモータ

パラグライダーのハーネス部分に円陣ユニットを背負うことで推進力を得て飛行するスポーツ。 パラグライダーは山などの高い場所に行かなければ離陸することができないが、パラモーターの場合は動力を持っているので平地から離陸することが可能。 プロペラを背負い燃料を入れてフライトするが、最近では電動のパラモーターも。自由自在に高度を選べ、空中でエンジンを切れば静かなフライトを楽しむこともできる。

飛行計画書

パラグライダーでは、管理エリア(約半径5キロメートル以内)を離れて長距離の野外飛行を楽しむことを「クロスカントリー飛行」と呼ぶが、その時に「飛行計画書」が必要となる。 管理エリア外は、他の航空機が飛ぶこともある。また、他人の土地に着地することになるので、パイロットはそのコースに問題はないかを事前に調べ飛行計画書を作成し、管理エリアに提出することが義務となっている。万が一のトラブルの時にも、飛行計画書があれば対応も素早くできる。

ピッチコントロール

「ピッチ(pitch)=調節」という言葉の通り、ピッチコントロールとはパラグライダーにおいては仰角(物を見上げた時の視線の方向と、水平線のなす角度で、アタックアングルともいう)をブレークコードやアクセルの操作により調整すること。 このコントロールによって速度を自在に操ることができる。さらに気流から発生するキャノピーの繊細な動きを「ブレークコード」の操作で安定させる動作のことも同様にピッチコントロールと言う。

ピッチング

暖かい大気の塊である「サーマル」や、大気の下降流である「シンク帯」など、気流の動きがある中でのパラグライダーを飛行中、流れの影響で機首が上下したり、前後にブランコのように揺れる状態になること。 ピッチングを起こした時には安全のために速やかにコントロールをする必要がある。また大気の流れで自然に発生するだけではなく、左右のブレークコードを同時に操作してブランコを漕ぐときのように、人為的なピッチングもある。

フラットスピン

パラグライダーで飛行中に左右のキャノピーが不均等に失速してしまい、エアスピードを取り戻すことのできないままに、キリモミ状態で急旋回してしまう状態。 キャノピーの片側が前進し、もう片側が後退して、まるで竹とんぼのようにキャノピーが旋回しているように見える。スピンを止めようとしてブレークコードを引いても直らない場合が多い。 パラグライダーでフラットスピンを起こさないのが一番なので、スピンに入りにくい、もし入っても回復できる機体を選び、対処方法を学ぶことが大切。

ブレークコード

パラグライダーの場合、キャノピー(翼)の後縁から取ったラインをそれぞれ左右で束ねて、ライザーの手元でグリップを取り付けたブレークコードと呼ばれるものを引いてコントロールする。 そして、このブレークコードを引いていない状態は「フルグライド」、着陸時にいっぱいまで引き下げて失速させることを「フルブレーク」と呼ぶ。 また、着陸時にブレークコードを引き込み機首を上げて速度を落としながら滑らかな着地をすることを「フレアー」と呼ぶ。

横滑り

本来の軌跡とは異なって、パラグライダーがスリップしたりスキッド(内滑り)すること。 パラグライダーが旋回するときにはキャノピーを内側に傾ける(バンク)が、このとき必要以上に大きくバンクしたり、旋回時のエアスピードを遅くしたりすると、キャノピーの低くなっている方向(内側)に滑っていくような感じになる。逆にキャノピーに必要なバンクをつけないままに旋回すると、外側に向かって横滑りが起きる。 横滑りはスピンや失速、高度ロスを招くので発生しないようにコントロールする必要がある。

リッジソアリング

大きく分けると2つのテクニックがあり、比較的初心者でも挑戦し易いのが「リッジソアリング」と呼ばれるテクニック。 一定の方向から流れて来る気流が尾根や絶壁などにぶつかると、逃げ場がないのでそのまま斜面を伝って上昇、尾根や絶壁等の終端に上昇気流が発生。リッジソアリングはその風を捉えてフライトをする。 「直線フライト」や「8の字旋回」などを繰り返し、できるだけ上昇風のなかにとどまり高度を上げるのがポイント。

ローター

空中には様々な目に見えない気流がある。ローターは山や建物などの風下や山頂の風下側に発生する「回転している危険な乱気流」のこと。 流れのある川で、岩や杭などの川下側に渦になった流れが生じているようなイメージ。普段は何でもない木々なども風の強い日などには強いローターが発生することもあるので注意。 パラグライダーはローターに弱いのでキャノピーが潰れてしまうことも。乱気流のときには離陸しない、ローターが発生し易い場所には近寄らないなどの注意が必要。

ローリング

ローリングとは、左右に揺れること。 パラグライダーで飛行中にキャノピーの片側が上昇風(リフト)や下降流(シンク帯)に入ったときなどに引き起こされる。自然に発生する場合と、左右のブレーキコードを交互に操作することによって人為的に作り出す場合がある。 急旋回を行うときには、左右のどちらかが先に失速したアンバランスな状態になり旋回(スピン)しないように、横方向のモーメントを得るためにこのローリングを行うこともある。

JHF

JHFとは、「公益社団法人 日本ハング・パラグライディング連盟」のこと。 1986年に日本に初めてパラグライディングが紹介された当初から、パラグライダーの普及や発展に務めるとともに安全性の向上を目指し、インストラクターの育成、JHFフライヤー登録制度などを行っている。日本ではこのJHFのほかにも「NPO法人日本パラグライダー協会」(JPA)という団体もある。 JHFはパイロット証を取得すれば日本各地のパラグライダーエリアを使用できるが、JPAの場合はスクールの許可が必要。

JHF技能証

「公益社団法人 日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)」が発行しているパラグライダーの資格が「JHF技能証」。 JHF技能証は国際的に認められているライセンスで、「国際航空連盟/国際ハング・パラグライディング委員会(FAI/CIVL)」が発行する「国際パイロット技能証」(IPPI技能証)への書き替えも可能。 JHF技能証には、JHF練習生A級、JHF練習生B級、JHFノービスパイロット証、JHFパイロット証、JHFタンデム証、JHFクロスカントリー証のほかJHF助教員、JHF教員などがある。

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