登山(クライミング、ボルダリング、登山など)に関する用語

アイゼン

固い雪や氷の上を登ったり降りたりするときに足元が滑ってしまうのを防ぐ、登山靴の底に装着する金属の爪のこと。爪の本数にも種類があり、夏の雪渓や冬の低山登山に向いている「軽アイゼン」と呼ばれる4本爪、6本爪。同様の軽アイゼンだがより安定性の増す8本爪。本格的な冬山や岩場などにも向いている10?12本爪。アイスクライミング用の14本爪などがある。山の状態によって最適なものを選ぶが、初心者は10?12本爪がオススメ。

アウトサイドエッジング

足の親指で掴んで立つようなイメージのインサイドエッジングに対して、その逆で、「親指以外の足の指の付け根(つま先)で立つ」方法をアウトサイドエッジングと呼ぶ。アウトサイドエッジングの場合は、足の外側(小指)を壁に当てるが、それだけではなく中指と薬指に体重をかけるイメージで立つことがポイント。クロスする時や、フラッギングの時には必ずこのフットワークを行う。基本的にはかかとを下げている状態で行うが、状況によってはかかとを上げることも。

アタックザック

リュックサック(ザックの一種)。以前は帆布でできた大型のザックで両脇に大きなポケットがある巾着型の「キスリング」が、登山やワンゲルの主流だった。サイドポケットが無く、縦長でスリムな形が特徴で、上に小物等を入れるポケットが付いているタイプが現在主流のザックとなっている。細身のため岩角にぶつかりにくく行動しやすいのが特長。ザックの上部を開いて荷物を出し入れするところから「トップロード」とも呼ばれている。

アプローチ

「approach=アプローチ(近づく)」の言葉の通り、一般的な登山の場合は、「交通機関の末端から登山口」までのことを指す。クライミングの場合は「登山口から岩場」までを指し、沢登りの場合は「沢に降りてから遡行をスタートする地点まで」のことをいう。通常、自宅や都心部から目的地までを「アクセス」と表現するが、そのアクセスも全て含めたものをアプローチと表現。また自宅から目的地まで履くシューズのことをアプローチシューズと呼ぶ。

アルパインクライミング

「本番のクライミング」という意味に捉えている人もいるが、本来ヨーロッパやアルプスでの岩壁や氷壁の登山がメインとなるクライミングのことを指す。登頂すること、岩壁を登り切ることが目標なので、フリークライミングの技術に加え、フックなどで足場をセットして登る技術を必要とする。日本でのアルパインクライミングとは、夏期の山岳での岩壁登攀、夏に開拓したルートを冬期に登攀、積雪期の登攀などを意味する。

インサイドエッジング

エッジングとは、ボルダリングやクライミングの時に足場を確保するためのフットワークの基本。そしてインサイドエッジングは、最も多用される方法のひとつ。足(クライミングシューズ)の内側が壁に当たるように置いて、親指の付け根(母指球)に体重をかけて立つ。インサイドエッジングは、ホールドを「自分の足の指で掴んでいるようなイメージ」を持って立つことで安定する。多用されるフットワークだけに、靴底エッジの先端から内側が一番先にすり切れる。

オーダー

登山のときに並ぶ順番のこと。一般的な登山の場合は一番先頭を歩くのはサブリーダーの役目で、続いて登山初心者、中級者、上級者の順番で、最後を守るのはリーダーの役目。クライミングの場合のオーダーは、ペアがザイルで結ばれている場合は、先頭に行く人をクライマー(もしくはトップ)、二番目はビレイヤー(もしくはラスト)となる。三人で組んでザイルでつないで登る時には、中間にいる人はミッテル(ミドル)となる。

カウンターバランス

クライミング独特の動きを「ムーブ」と呼ぶが、そのムーブの基本中の基本が「カウンターバランス」と呼ばれるもの。ひとつの方向に手をのばした時、重心がそちら側に移動するとバランスが崩れるが、それを保つのに足を別方向に向けてバランスを保つ…というようなバランステクニック。そのカウンターバランスの基本中の基本が「ダイアゴナル」で、ホールド側の手とは反対の足をフットホールドから外してバランスを取る方法。

キョン

「キョン足」とも呼ぶ。ムーブの一種で、岩や壁に対して正面を向かないで身体を横にし、片足でスタンスを突っ張る。そしてもう片方の足の膝をひねるようにして下に向け、下半身をロックするテクニック。英語名ではドロップニー(dropknee)と呼ぶ。キョンを上手に使うと安定感が増すが、あまり多用し過ぎるとひざを痛めることも。男性よりは女性がよく使うテクニックだが、練習して身につければ強傾斜で力を発揮できる。

クイックドロー

通称、ヌンチャク。カラビナとカラビナをスリング(布の紐)でつないだもの。クライマーが岩や壁を登るとき、埋め込まれているボルトにヌンチャクをセットして、そこにロープを通すほか、色々な使い方が可能。カラビナ単体だけで使うよりもロープの滑りが良かったり、墜落の衝撃を吸収するなどの効果もある。カラビナは開閉部分(ゲート)の形により色々な種類もあるので、目的別に使い分ける。数十種類のクイックドローが販売されている。

クライミングシューズ

クライミングでもボルダリングでも、最も大切な要素であると言われているのがクライミングシューズ。自分にフィットした物に巡り会うには、最初はレンタルシューズを利用して、少しづつサイズを小さくして自分にフィットしつつ痛くならない最小サイズを探すのがオススメ。履いた時に足の先が少し曲がるくらい小さめのサイズを選ぶのがポイント。滑りにくい特殊なゴムで覆われていて、小さな突起でもつま先立ちできるようにできている。

ジャミング

色々な大きさのあるクラック(岩の形状)を登るテクニックのひとつ。クラックの中に、手や足を入れて「引っ張る」、「ひねる」などして身体のバランスを安定させる。岩の割れ目に手を入れ、親指を内側に折ることでロックするので、岩に手が摩れることも。そのため、手の甲をガードする専用のジャミンググローブを使用。ジャミングを決めるには繰り返し練習が必要なので、クライミング上級者と一緒に練習するのがオススメ。

スノーシュー

雪の上を歩くための歩行具の一種。昔から雪国などで用いられていた民具「かんじき」の西洋版。深雪や新雪の場合、アイゼンでは歩行に限界もあるが、スノーシューの場合は浮くことができるので、足が沈むことなく歩行することが可能。ワカン(輪かんじき)よりもサイズが大きいのでラッセル(雪をかく能力)が高いが、狭い道だと歩きづらい。急斜面には向いていないので、雪山登山の場合はアイゼンとスノーシューを雪の状態によって使い分ける。

スメアリング

「Smear=塗り付ける」の言葉のように、クライミングシューズの靴底を岩にこすりつけるようなイメージで足を置く方法のこと。ホールドがないような場所、のっぺりした大きなホールドなどの時に足底を押しつけ、足裏全体で包み込むようなイメージで立つことがポイント。スメアリングは、基本的にはかかとを下ろして行う。スラブ(傾斜のゆるいツルッとした岩)で多用され、やや高度なテクニックを要する。

チョーク

ホールドを掴むときに手が滑らないようにこまめに付ける。粉と液体タイプがあり、粉チョークは粉なのでそのまま手にはたくが、液体チョークは手に垂らしてのばして使う。粉の場合、どうしても舞い上がったり服に付いたりすることがあるが、液体は飛び散らないのがメリット。チョークは床置き型か腰に巻くポータブル型があり、チョークバッグに入れる。粉の場合は手にチョークがつき易いようにチョークボールも一緒に入れて使用。

デッドポイント

デッドポイントとは、難易度の高いルートを効率良く登るためのムーブテクニックのひとつ。次のホールドをなかなか取れないときに、身体を一瞬壁に引きつけて、一気に次のホールドを取るテクニック。フットホールドにはしっかりと重心をのせて立ち、次のホールドまでの距離を見極め、「取る」タイミングを図るのがポイント。身体で覚えるには何度も繰り返して練習をし、この距離感の掴み方とタイミングの予測を身につけるのがコツ。

トップロープクライミング

ボルタリングで登り方のコツを掴んだら、次に挑戦したいのがトップロープクライミング。事前に壁の最上部から確保されているロープを、ビレイヤー(クライマーが落ちないようにロープを確保する役目の人)がコントロールしながら、それを頼りに登る。安全が確保された状況なので、初心者でも高さに慣れる練習をしながら、正しいロープワークやハーネスの使い方を覚えることもできる。手軽に試せるが、油断すると事故を招くこともあるので大事なのは慎重に登ること。

トレース

「trace=跡」の言葉の通り、登山の場合は先行者による道のようになている踏み跡のこと。積雪シーズンの雪山登山の場合、トレースが残る。トレース通りに進めばよいのでラッセルよりも体力を失わず、ラクに進むことができる。しかしトレースは新しく雪が降れば消えてしまい、中には間違っていることも。トレースだけに頼らず地図で確認しながら登山をするほうが良い。登山者が多い場所はトレースがしっかりとしていて「登山道」になっているため進み易い。

ハーネス

クライミングや沢登り、雪山などを登るときに安全確保のために身体に付けるベルトのこと。種類はウエストと太ももの付け根をサポートする「レッグループタイプ」、ウエストと腰をサポートする「シットハーネス」、胸部をサポートする「ベストハーネス」など。またウエストベルトのみサポートする「スワミベルト」、レッグループとベストハーネスを組み合せた「フルボディ」も。クライミングにはレッヂループハーネス、アルパインクライミングはシットハーネスを用いる。

ヒールフック

足のかかと部分を高めのホールドに引っ掛け、手の代わりとして使うテクニック。主に傾斜面で用いられる。靴のトゥ(つま先)をホルードに引っ掛ける「トゥフック」は、主にバランスを取るために使われるが、「ヒールフック」はかなり体重を預けることができるので使う場面も多い。そして「ヒールアンドトゥ」は、ヒールフックとトゥフックの両方が決まった状態で、「カム」のようにロックさせるので安定感が得られるテクニック。

フラッキング

カウンターバランスの一種で、片方の足をホールドにはおかずバランスを取りながら次のホールドを取るテクニック。2種類あり、ひとつは身体を横に向けて、立っている足の外側にもう片方の足を移動させ身体のバランスを取る「アウトサイドフラッキング」。逆に、立っている足の内側にもう片方の足を移動して身体のバランスを取るのが「インサイドフラッキング」。アウトサイドフラッキングよりは多少難しいが、うまく出来るとインサイドフラッキングのほうが安定する。

フリークライミング

巨大な壁を相手に登るケース、氷山を登るケース、小さな岩を登るケースなど色々な種類があるが、総称して「クライミング」と呼ぶ。フリークライミングは、一番簡単で手軽にスタートできるクライミング。自分の手足だけを頼りに登るもの。クライマー(登る人)には、腕力よりもバランス感覚や柔軟性、身のこなしなどの運動能力が求められる。フリークライミングは、登山のように山を登ることを目的とせず、森林や河原などにある岩を対象にすることがほとんど。

ホールディング

ホールドの掴み方のことで、ホールドの形によって掴み方の呼び方も異なる。アンダーを持つ時の「アンダーリング」、エッジを持つための「カチ」、外斜のエッジの時に第2関節をのばし第1関節でぶら下がる「オープンハンド」。そして、縦のエッジをカチのように持つ「サイドブル」、手のひらでホールドを押さえつける「パーミング」、ノブのように突き出たホールドを包むように持つ「ラップ」、大きめのホールドを押す「プッシュ」、持ち替える「マッチ」他、様々な呼び名がある。

ホールド

ボルタリングジムの人工壁や、自然の岩にできた突起や穴など「手で持つことができる部分」のこと。ホールドの掴み方のことは「ホールディング」と呼ぶ。ホールドには、ガバッと掴める持ち易いホールド「ガバ」、下向きのホールド「アンダー」、角のある横に伸びた「エッジ」、穴の形をした「ポケット」。また、ドアノブのように飛び出た「ノブ」、極小のフットホールド「ジブス」、ニワトリのトサカのように飛び出た「チキンヘッド」など様々な形状がある。

ボルダリング

落ちても衝撃が少ない分厚い安全マットを敷いた屋内ジムで、高さ数メートルの壁を登るシンプルなクライミングのこと。ロープは使用せず、壁に埋め込まれた突起物(ホールド)に手と足をかけて登っていく。初心者向けの昇りやすい壁から、難易度の高い壁まで色々な種類のコースがあるので、自分のレベルで選択することができる。自分で用意するのは専用シューズとチョークだけなので、初心者でも手軽に挑戦することができる。

マントル

正確な呼び方は「マントリング」、「マントルシェルビング」という。両方の手でホールドやリップの部分を持って、足で壁を蹴り上げながら、身体をひねって片方の肘をホールドの上に出し、身体を引っ張り上げるよにする。肘が伸び切ったら足を一気に引き上げる。マントルシェルフは「暖炉の外枠」のことを指し、肘を直角に張り出している姿が似ていることからそう呼ばれている。ボルダリング特有のムーブで、重要なテクニックのひとつ。

ラッセル

雪山登山の際に深い雪の中を雪を踏み固めるようにして道を切り開きながら進むことを指す。かなり時間もかかり体力を消耗する動作なので、パーティー登山の場合は、ラッセルを行う先頭の人間が交代しながら進む。雪が浅いところでは普通に歩行できるが、深い所では足を後ろに引いてそこから「弧」を描くようにして、外側に足を大きく踏み込み歩き進む。この歩き方なら歩行数を減らすこともできるので、疲労を少なくすることが可能。

ランジ

「ダノイ」とも呼ばれており、普通では手が届かない場所にあるホールドに飛びつくようにして登るテクニックのこと。完全に身体が宙に浮くところがデッドポイントとは異なる。片手だけを使用するのではなく、両手を上げて飛び、両手でホールドを掴むランジのことを「ダブルダノイ」と呼ぶ。派手なパフォーマンステクニックなので、ボルダラー(ボルダリングを行う人)には好まれる。指を止める力と上半身の瞬発力が必要とされるテクニックのひとつだ。

リードクライミング

リードクライミングは、基本的にはクライマーとビレイヤーの2人1組で行う。クライミングジムでは、あらかじめジムの壁にセットしてあるクイックドローと呼ばれるヌンチャクにロープを掛けながら登る。ビレイヤーはクライマーの動きに合わせてロープを調節し、クライマーが墜落しないように備える。クライマーを降ろす時も、ビレイヤーは安全確認をしながらゆっくりと降ろす。クライミングとロープワークと両方のスキルが必要になる比較的高度なテクニックで、かなり高い場所まで登ることができる。

ルートファインディング

登山時には、自分が今どこにいるか現在地を把握することが何よりも重要。そのためには、地図とコンパスの携帯は必須だが、それをきちんと読み取れ、冷静な判断ができるルートファインディング能力が大切になる。GPSレシーバーなども便利だが、電波が届きにくい場所では役に立たない。またガスが立ちこめてどこにいるかまったく見当が付かなくなることも。経験、知識、感覚、読図など総合的なルートファインディング能力を磨くことが大切。

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